ジブリの人気作品「コクリコ坂から」は昭和30年代後半の横浜を舞台に16歳の少女と17歳の少年の淡い恋と友情を描く、爽やかな青春アニメーション映画です。
監督を宮崎五朗さんが、企画・脚本を宮崎駿さんが手掛けた意欲作として高い評価を得ました。
作品の主人公である少女・海と、同じ学校に通う男子高校生・俊は校内の歴史ある建物”カルチェラタン”取り壊し反対運動を通して惹かれあいますが、この恋には大きな障害があるようで…。
ここでは「コクリコ坂から|その後海と俊の二人は結婚できたのか考察! 」と題して二人の恋と運命の行方をリサーチしていきます。
「コクリコ坂から」のあらすじ
昭和30年代後半の横浜を舞台に描かれる「コクリコ坂から」は、少年と少女のまっすぐな恋と友情を描いたジブリ映画の名作青春映画です。
「コクリコ坂から|その後海と俊の二人は結婚できたのか考察!」を考察する前に、簡単なあらすじをご紹介いたします。
昭和30年代後半の横浜、海を見渡すことが出来る”コクリコ荘”に住む女子高生の海は、毎日信号旗を揚げることを日課にしていました。
そんなある日、海が通う高校で”カルチェラタン”という歴史ある建物を保存するか取り壊すかで日々話し合いが行われていました。
取り壊す方向で考えている学校側と、保存するべきだという生徒たちは対立し、学生たちによる取り壊し反対運動まで勃発します。
反対運動に参加していた海は、新聞部に所属する一学年上の風間俊という男子生徒に出会います。
海と俊は異母兄弟だった?澤村雄一郎の写真
海と俊の恋には出生に関わる大きな障害があるようです。
惹かれあっている男女に立ちはだかる障害が一体どのようなものなのか、リサーチしていきます。
海と俊は共に”カルチェラタン”の取り壊し反対運動を行っているうちに、互いに惹かれ合います。
ある日海は、亡くなった父の写真を俊に見せます。
俊から父親の名前を聞かれ素直に答える海でしたが、その名前を聞いた俊の態度が急におかしくなったことに気が付きます。
帰宅した俊は、一枚の写真を見つめています。
その写真には海が見せてくれた人物と同じ男性が写っているのでした。
俊は一緒に暮らす父親に写真を見せながらこの写真の男性が俺の本当の父親ではないかと尋ねます。
すると俊の父親は覚悟を決め、写真に写っている澤村雄一郎が赤ん坊だった俊を家に連れてきた日のことを話すのでした。
急に態度がおかしくなってしまった俊が気になる海は、「嫌いになったのならはっきり言って」と伝えます。
すると俊は言いづらそうに、澤村雄一郎が自分の本当の父親だということを告白するのでした。
思いがけない俊の告白を聞いた海のショックは相当なものだったでしょう…。
海と俊に立ちはだかる大きな問題とは、二人の父親が同じ人物であるということでした。
ということは二人は異母兄妹ということになってしまいます。
これでは婚姻関係を結ぶことは難しいということになってしまいます。
海と俊は赤の他人だった?立花洋と俊の関係
俊からの突然の告白にショックを受けた海でしたが、たとえ兄妹だとしても俊が好きだと伝えます。
すると俊も同じように海のことが好きだと答えるのでした。
そんな二人の元に父・澤村雄一郎をよく知る古い友人が港に来ているという知らせが入り、二人は急いで学校を飛び出します。
澤村雄一郎の古い友人である小野寺善雄は、海と俊の姿を見て喜びます。
そして、俊の実の父親は立花洋という人物だと二人に告げます。
小野寺と立花、澤村の三人は高等商船学校時代の親友だったのです。
俊が風間夫妻の養子になった経緯は非常に複雑ですが、経緯をまとめてみました。
まず立花夫人が俊を身籠り、しばらくすると夫である立花が船の事故で亡くなります。
その後立花夫人も出産時に亡くなり、その時点で俊の戸籍は宙に浮いたままです。
俊は本当なら孤児院に行くはずでしたが、風間の親友だった澤村雄一郎が可哀想に思い俊を引き取ることにします。
その時に澤村は俊を自分の戸籍に入れたのです。
しかし澤村の家庭は経済的に立ち行かなくなり、もう一人の親友である小野寺に相談し、彼の知り合いである風間夫妻に俊を養子として受け入れてもらったということになります。
ご理解頂けましたでしょうか…。
海と俊は結婚できたのか?
小野寺から真実を聞かされた二人ですが、今後どうなっていくのか考察してみたいと思います。
ラストシーンの二人は、コクリコ荘の旗をまるで未来を見据えるような眼差しで見上げています。
結論から言うと、小野寺の話が真実であれば海と俊は戸籍上のみの異母兄弟であり血縁関係はないので結婚することは可能です!
惹かれ合う二人が障害を乗り越え、純愛を実らせるであろうことを暗示して物語は終焉を迎えます。
まだ二人は高校生ですのではっきりしたことは言えませんが、おそらくこのままいけば戸籍を訂正し無事に結婚出来るのではないでしょうか。
見守ってきた視聴者としては本当に安堵の気持ちでいっぱいになりますね。
まとめ
「コクリコ坂から|その後海と俊の二人は結婚できたのか考察!」と題し、海と俊の関係についてリサーチしてきましたが、いかがだったでしょうか。
大人の複雑な事情によって翻弄された海と俊でしたが、小野寺の出現により二人に血縁関係はなかったということが分かりました。
物語の途中、二人は異母兄弟ではないかと悩みますが「たとえ兄妹だとしても好きだ」と想いを打ち明け合う姿からは人を想うことの本質を教えられた気がします。
ジブリ作品としてはおそらく描きにくかったであろう大人の複雑な事情が絡み合っている作品ですが、独特の美しいタッチで描き切っている点はさすがです。
これはジブリでなかったらドロドロの愛憎劇に発展するパターンだったのでは…と内心どきどきしながら観てしまいました。
今回、清々しい終わり方をした珠玉の青春映画「コクリコ坂から」ですが、非常に考察しがいのある興味深い作品であることは間違いありません。
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ちなみに他のジブリ作品も無料で視聴可能です。