「ラニーニャ現象」をご存知ですか?

なんだかかわいい名前で警戒心が薄れてしまいそうです。「エルニーニョ現象」なら聞いたことがあるような…という方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、これは日本や世界の気候に大きな影響を及ぼす気象現象なんです。

気象庁は、2021年1月12日に「ラニーニャ現象に解消の兆し」という速報を発表しました。一体、どういうことなんでしょうか?

そこで、今回は、「【2021年】ラニーニャ現象とは?簡単にわかりやすく解説!」と題して、ラニーニャ現象とエルニーニョを比較しながら、わかりやすく解説していきます!

ラニーニャ現象が日本に及ぼす影響

まず、とてもかわいい名前ですが、この「ラニーニャ現象」が起こると日本はどうなるのでしょうか?「エルニーニョ現象」とも合わせて解説していきます。

「ラニーニャ現象」が発生すると、日本では…
  • 夏季は、太平洋高気圧が北に張り出し、気温が高い「猛暑」になります。
  • 冬季は、大気と海の関係で、西高東低・冬型の気圧配置となり、寒気の影響を受けやすくなり「寒冬」となり、大雪になる可能性が上がります。

夏は、とても暑い「猛暑」、冬はとても寒い「寒冬」になるということですね。

前回は、2017年の秋〜2018年の春なので、今回は3年ぶりとなります。

過去に「ラニーニャ現象」が起きた時も、「平成23年豪雪」や「平成30年豪雪」と呼ばれる雪害が起こりました。

そして、最近では、北陸自動車道などで車の雪による立ち往生が報道されてましたね。それは、この「ラニーニャ現象」が関係しているようです。

昨年(2020年)の夏は、たしかに「猛暑」で、熱中症になる方が増加したり、エアコンなしでは、過ごせない状況が続いていましたね。

ちなみに、「エルニーニョ現象」が起こると…、

エルニーニョ現象が発生すると、日本は…
  • 夏季は太平洋高気圧が北に張り出しにくく、気温が低下し、日照時間が少なくなる「冷夏」。
  • 冬季は、西高東低の冬型の気圧配置が弱まることで。気温が高くなる「暖冬」。

真逆の気象現象なんです。最近だと、2018年秋〜2019年春に発生しています。

夏は「冷夏」で主に西日本の日本海側で長雨や豪雨が相次いだり、また、日照時間が短いことで農作物にも影響しました。2009年の「エルニーニョ現象」時には、梅雨明けが遅く、特定出来ない地域も多くありました。冬は「暖冬」で、スキー場などで雪不足が起こったことも記憶に新しいかと思います。

つまり、

  • ラニーニャ現象 →「猛暑」「寒冬
  • エルニーニョ現象→「冷夏」「暖冬

という傾向になります!

こちらは、気象庁が発表したこれまでの「ラニーニャ現象」と「エルニーニョ現象」の記録です。1949年から毎年のようにどちらかが発生していることがわかりますね↓↓

ラニーニャ現象過去

出典:国土交通省 気象庁

ラニーニャ現象とは?

では、日本に及ぼす影響が分かったところで、「ラニーニャ現象」とは、どういうものなのか、「エルニーニョ現象」と比較しながら解説していきます。

ラニーニャ現象とは
太平洋赤道域の日付変更線付近から、南米沿岸にかけ、海面の水温平年より低い状態(-0.5℃)が一年以上続くことです。
エルニーニョ現象とは

太平洋赤道付近の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温平年より高い状態(+0.5℃)が一年以上続くことです。

  • ラニーニャ現象 →海水温が低い
  • エルニーニョ現象→海水温が高い

この状態が一年以上続くことで、数年おきに春から冬にかけて発生します

この現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると言われています。

ラニーニャ現象は、どのように発生するのか?

では、なぜ、海水温が低いと異常気象が発生しやすくなるのでしょうか?

ポイントとなるのは、「貿易風」と「偏西風の蛇行」です。

いつも同じ方向に吹いている風
  • 偏西風・・・緯度35〜65度以上の地域で吹く風。(日本付近で吹いている)常に西から東へ吹く。
  • 貿易風・・・緯度30度以下の地域で吹く風。(赤道付近、東南アジア付近で吹いている)常に東から西へ吹く。

この2種類の風が天候の変化に大きな影響を及ぼします。

赤道付近では、「貿易風」は常に東から西へ吹いています。それによって、海面付近の温かい海水はどんどん西側へ流されます。

東側に残された冷たい海水はどんどん湧き上がり、そのまま海水温度もどんどん下がり、

  • 東側(ペルー付近) →水温低い→どんどん冷える
  • 西側(インドネシア)→水温高い→蒸発が盛んになり、上空に積乱雲が発生

という状態になります。

ラニーニャ現象1

出典:国土交通省 気象庁

このときに「貿易風」が強まり、風が温かい海水を西に運び続けると…

  • 東側(ペルー付近)   →冷たい海水の湧き上がりが強くなる→海水温低下
  • 西側(インドネシア付近)→温かい海水が蓄積→積乱雲大発生

こういった原理で海水の温度が低い状態が太平洋赤道域で続くことを「ラニーニャ現象」と呼びます。

日本にどうやって影響する?

では、こんな離れた場所で起こっていることが、どうやって日本に影響するかを説明します。

海面の温度がより高くなった状態の西側の東南アジアの方では、「積乱雲」が発達し、西から吹く「偏西風」に影響を及ぼされ、平年より「偏西風が蛇行」します。蛇行すると、寒気の影響を受けやすくなり、日本はいつもより寒い「寒冬」になります。

つまり、いつもなら日本のあたりをまっすぐ西から吹いている「偏西風」が南の方からやってきた東南アジアの積乱雲にむぎゅっと上におされて曲がってしまい、「偏西風が蛇行」し、その曲がった部分に北の方から来た寒気が入り込み、それが日本の上空で起こると、その寒気に影響を受け、日本は大雪が降るなどの「寒冬」となります。

ラニーニャ現象影響

出典:東京新聞TOKYO Web

「ラニーニャ現象」が起こると、いつものバランスがくずれてしまうんですね。

ラニーニャ現象、エルニーニョ現象の語源

どんな現象か分かったところで、つぎは、「ラニーニャ現象」と「エルニーニョ現象」の語源をご紹介します。

「ラニーニャ現象」の語源は、スペイン語で「女の子」。海水温が低くなる現象であるため、エルニーニョの対をなす「女の子」が提唱され、定着しました。

「エルニーニョ現象」の語源は、スペイン語で「男の子」。幼子イエス・キリストを指します。もとは、ペルー北部の漁民が小規模な暖流のことをエルニーニョと呼んでいましたが、のちに、数年に一度起こる海水温の高くなる現象に使用されるようになっていきました。

言葉の感じが柔らかく感じるのは、両方とも子どものことを指しているからなんですね。

気象庁が発表した「ラニーニャ現象に解消の兆し」という速報の意味

ところで、冒頭でも触れた、気象庁が発表した「ラニーニャ現象に解消の兆し」というのは、どういうことでしょう?

簡単に言うと、これまでの寒波が過ぎ去り、気温が平年並に戻る見込みということです。

2020年9月の時点ですでに気象庁は、ラニーニャ現象が発生しているとみられ、今後の冬まで続く見込みと発表していました。ラニーニャ発生時の冬の天候は、偏西風の蛇行を引き起こして、この12月中旬から1月上旬の寒波襲来につながっていました。それが落ち着いていき、2月以降には、平年に近い状態に戻るということを言っています。

なので、2月以降は、気温も降水量も平年並みになるそうです。

しかし、平年並みというのは、気象業界では、過去30年間の平均値で、10年に一度更新されるものです。

平年=普通ととらえる方も多いかと思いますが、じつは、30年間の気温のデータを基準にしたものなのです。

2021年の平年並の気温は平年値が更新され、1991年〜2020年間の平均値を基準になります。

皆さんは、この頃の気温の記憶ってありますか?

↓以下は、気象庁の平均気温の記録と、「平年並」の範囲の決め方の表です。

1991年〜2020年の気温は、とてもジグザグで、安定してない感じがしますね。

平年並

出典:国土交通省 気象庁

平年並って、非常に長いスパンではじき出されているものなんです。暑かった年と寒かった年の気温をそれぞれに順番並び替えて、その間の10年間を「平年並」とするようです。

平年並みというと、穏やかになりそうなイメージですが、バラバラな年の平均値ということで、体感温度としては、一概に「暑い」「寒い」だけで判断するのは難しいようですね。

ラニーニャ現象に関するTwitter上の声

ここでは、「ラニーニャ現象」について皆さんがどのような反応をしているかを、Twitter上の声を通して、ご紹介します。

ラニーニャ現象を実感されている方

ラニーニャ現象のことを勉強しておいてよかったという方

「ラニーニャ現象」をきちんと理解されている方が多いように感じました。

ただ、寒いな、暑いなと感じているだけではダメですね。もっと自分自身も学ばなければ!と思います!

まとめ

ここまで、「【2021年】ラニーニャ現象とは?簡単にわかりやすく解説!」と題してラニーニャ現象について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

世界の気象状況が刻々と変化しており、それまでになかったような自然災害が頻繁に起こっています。

自分が幼い頃と比べると、夏は猛暑、冬は極寒豪雪と極端になり、春や秋はすぐに終わって日本の「四季」というのものが感じとり難くなっているような気がします。

私が暮らしている町では、自然災害なんて起こるはずない、これまでは関係ないと慢心していた部分もありましたが、実際には、発生しました。

何があってもおかしくないですね。

「ラニーニャ現象」は、専門用語のように感じてわかり辛かったり、苦手意識をもったりすると思いますが、このような気象現象が世界中に及ぼす影響をきちんと知って、私たちの日常の生活にも生かし、防災対策をするなど備えたり、もっと地球の環境について関心を持つことが必要ですね。